小野伸二という天才が現れたのは覚えています。
オランダのフェイエノールトで活躍したのも覚えています。
しかし、その後はケガがちなイメージで、正直に言って、存分に活躍できなかった印象があります。
でも、44歳という年齢までプロでやり続けられた。
自分にとっては不思議な存在です。
そんな小野伸二選手の自伝が出版されました。
タイトルはGIFTED。日本語に訳すと天賦の才能です。
この本を読んで知った、小野伸二の天賦の才能を自分なりにあげてみたいと思います。
小野伸二は10人兄弟の5男。決して裕福な家庭ではなかったようです。
小学校2年生でサッカーチームに入るまでは、ひとりでサッカーをしていて、ひとりでいろんな蹴り方を練習していたそうです。
熱中すれば、いくらでも練習のやりかたってあるんですね。
小野伸二という選手は技術が高いのというイメージですが、ポジショニングが抜群だったそうです。
自分がミスして、しまった、と思ったらそこに小野伸二がいてくれる。そんな選手。
それは、サッカーのコートの中だけでなく、普段から人に気を配ることができる人柄で、本当に誰からも好かれるタイプの人間みたいです。
小野伸二は同じことをずっと続けることを好まない。
変化を求めるというよりも、変化を楽しむ人のようです。
だから、移籍の話があると残留より移籍する方を選びます。
感謝の気持ちを持てる。
ウエスタン・シドニーや当時J2だった札幌、琉球FCでは、J1とは全然ちがう環境だったようです。
そんなときも、なんでこんなことやらなきゃ行けたらないんだよ、と愚痴るのではなく、素直にいままでの環境のありがたみに感謝できる。
このように物事をフラットに見れるというのが、すごいなと思います。
「おわりに」にあった文章をとても気に入ってしまったので、引用させてもらいます。
GIFTED---天賦の才能。それが本当にあるのか、それは僕にはわからない。
人と違う視野、人と違うキック、人と違うトラップ・・・それは、努力の賜物か、僕だからできたのか。僕自身は持って生まれたものだと思ったことはない。
何より、僕が「人と違う技術」を持っていたとしても、僕にはない技術、能力、体力を備えた選手をたくさん見てきた。彼らに負けたくない、と練習を続けた。
それを助けてくれる人がたくさんいた。
もし何かを与えられたものがあったとしたら。
それは、やっぱり「人」なんだと思う。出会いを与えられ、そこにチャンスが生まれ、今の僕がある。
まとめ
自分はアスリートではないですが、スポーツを観るのが好きで、そのせいもあり、アスリートの自伝をそれなりに読んでいます。
目標を設定して、目標を達成するためにやるべきことをやり続ける。そういう内容の本は多いと思います。それができるから、目標に向かってやり切れるから、一流のアスリートになれるんだと思います。
だから、天才とは「努力を当たり前のように続けられる」人のことだと思っていました。
でも、この本を読んで、天才に対して、ちょっと違う感覚を持ちました。
誰にも、自分しかできないことがあって、他人に及ばないことがある。
自分にできないことは、他人に頼っていい。
そして、素直に頼れることが重要なのではないか。
言葉にするのは簡単ですが、実際にそうあり続けるのは、なかなか難しいですよね。
変なプライドが邪魔をして、素直に人に頼れないことが、多々あります。
素直になれるために、自分がどうしたらいいか、どう成長したらいいかを考えてみようと思います。